南條愛乃は天才型だと思っていた話
声優として駆け出しだったころ、その声が評価され、fripSideのボーカルに抜擢されただけでなく、1発目の「only my railgun」が大ヒット。続く「LEVEL5 -Judgelight-」も大ヒットし、一躍アニソン界のスターに登り詰めた南條さん。
伸びやかな高音、曲と作品とマッチした稲妻のような芯のある声。
ずっと天才だと思っていました。
僕がファンになって、ライブを初めて観に行ったのも2017年のfripSideのライブでした。
テンポが速く、息継ぎも少なく、さらに高音というボーカル殺しの曲が多くある中、ステージ上の南條さんは苦しそうな表情は一切なく、飄々と汗一つかかずに歌い上げる姿に感動したのを今でも覚えています。
きっと、生まれ持った才能なんだろう。とずっと思っていました。
しかし、ファンになって過去の作品などもいろいろと集めて気が付きました。
南條愛乃は天才ではなく、努力の人だったことに。
もちろん、才能はあったからこそ、fripSideボーカルにスカウトされたことは間違いない事実ですが、今の南條愛乃があるのは間違いなく、僕らには見せないとんでもない努力があるからだと思います。
というのも、fripSideのライブDVD「Decad」を観て感じました。
このライブ映像は2012年のツアーを映像化したもので、南條さんがfripSide加入してから3年のタイミングでのツアーでした。
僕が初めて観たのは2017年ですので、当然、当時のライブがどんなものなのか知る由もありません。
むしろ、当時から完成されたライブだと勝手に思っていました。
この「Decade」を観て、言葉を選ばずに言うと「酷いな」と正直思いました。
それは今の南條さんを知っているから思ったのかもしれませんが、この映像と比べると 別人のような感じでした。
曲数も当時はまだ今ほど多くない中で、後半は目に見えてスタミナ切れ。
お客さんへの煽りもワンパターン。
もし、仮にそのライブに行っていたら、ファンになっていなかった可能性もあり得るくらい、今と比較してしまうとボロボロでした。
しかし、その2年半後くらいに行われたツアーの映像作品があるのですが、「Decade」と比べると別人のようにカッコよくて、歌も上手で。
「Decade」と比較すると、曲数は2倍近く、さらに会場の規模は5倍近くになっているにもかかわらず、ほぼ完ぺきと言えるパフォーマンス。
歌はもちろん、ステージ上での振舞い方が大きく変わっていて、たった2年半でここまで変わるのかと思わされました。
おそらく、fripSideのボーカルとしての歌唱力、さらにはフロントマンとしての立ち振る舞い方など、他の様々なアーティストさんを観て、研究されたんだろうなと思います。
1曲目から大ブレイクして、2曲目も大ブレイク。3年目にはオリコン1位曲を獲ってなお、驕らずに努力し続ける。
けど、努力していることは人には見せずに、ステージ上では飄々と歌い上げる。
それが38歳になり、ソロデビュー10年経った今でも、変わらないというところがなによりも尊敬します。
これからもどんな景色やどんな姿を見せてくれるのか、楽しみでたまりません。
▼ライブ映像「Decade」
[http://:title]
▼2年半後のライブ映像
[http://:title]